カロフィルム
別名:ビンタンゴール
【英】:Calophylum inophyllum, Calophyllum spp.
(オトギリソウ科)
この属には約100種が含まれています。その分布は広く、主として東南アジアから太平洋地域にわたって生育しており、さらにマダガスカルと南米にもみられます。材質はよく似ており、各地で、有用な木材の一つとなっています。日本の市場では、メランチなどを除いたいわゆる非フタバガキ科の木材のなかでは、重要な木材の一つです。
木材
心材と辺材の色の差ははっきりとしています。前者は桃褐色、橙褐色、赤褐色で、後者は淡黄白色です。板面を見ると、かなり規則的な濃色の細い条があり、特徴となっています。肌目は粗で、木理は一般には交錯しています。かつては、大量に利用される色のよく似た赤色系のメランチの中に混じって輸出されていました。木材はやや重硬なものから重硬なものまであり、気乾比重は0.50~0.81です。あまり耐久性の高い木材ではありません。
用途
かつては、メランチなどに混入されて、その代用として合板用材にされていましたが、現在では、家具用材として欠かせないものになってきています。樹種が多いので、そのことによる材質の変動に注意して利用したほうがよいでしょう。キャビネット、楽器、さらにはゴルフのクラブヘッドにも使われた記録があります。